人口約41万人(2026年2月現在)を抱える愛知県豊田市。
市内には50を超える葬儀会館が存在し、葬祭市場は競争が激化しています。
年間約700件の葬儀を執り行い、地域シェア約15%を担うJA葬祭・あいち豊田サービス様。
同社が導入したのが、写真をAI技術で自然に動かす追悼映像サービス「snapCINEMA」です。
なぜ地域密着型の葬祭会社が、AIという先進技術を活用する決断に至ったのか。
導入の背景と現場での実際の反応について、葬祭事業部課長、林義之様に詳しく伺いました。
導入の決め手は「地域における先行導入」でした。
豊田市内には多数の葬儀会館が存在し、競争環境は年々厳しさを増しています。
人口規模に対して会館数が多い状況で、大手系列の競合と集客を広告費で競うことは現実的ではありません。
そのような市場環境の中で同社では以前より、何らかの「一歩先を行く取り組み」が必要だと感じていました。
“新たな取り組みを行うのであれば、他社の後追いではなく、地域で先んじて導入したいという思いがありました”
単なるオプションサービスの追加ではなく、地域の中で新たな取り組みを示すこと。
AIを取り入れた新たな追悼表現として、地域内外への発信も見据えた林様の判断が、導入の背景にありました。
その結果、日本農業新聞全国版や中日新聞三河版などから取材を受ける機会にもつながり、地域内外での認知向上にも寄与しています。
AI活用を前提として新しいサービスを探していたわけではありません。
snapCINEMAは、当社営業担当からの紹介によって初めて認識されたサービスでした。
導入の決め手になったのは、技術そのものよりも「サービス設計の適切さ」です。
・写真の提供のみで対応可能であったこと
・AIで故人様の台詞を付け足すなどの、過度な演出がないこと
・驚きと感動を呼び起こす、自然な動きであったこと
“AIに頼り過ぎるのではなく、あくまでご遺族様の記憶を大切にする活用方法であったことが導入の決め手”
snapCINEMAの設計思想が同社の価値観と合致したことが、導入の判断に至った大きな理由でした。
導入検討時には、取締役会においてサンプル動画を提示。
最初の反応は「本当に写真なのか」という驚きでしたが、否定的な意見はほとんど見られず、理解は比較的スムーズに得られたといいます。
さらに印象的だったのは、現場職員の反応でした。
“アスカネットさんから納品されると職員が自然と集まり、完成映像を確認しています”
完成したsnapCINEMAのデータが届くと「今回はどのような仕上がりになっているのか」と職員が自発的に集まり確認する光景が生まれているとのこと。
これは、新しいサービスの導入によって業務負担が増大するのではなく、現場に前向きな空気をもたらしていることの表れといえます。
式の終盤に上映されるsnapCINEMAは、あまりに自然な動きのため、「生前に撮影された動画」と誤認されることもあったといいます。
そのため、上映前に司会者が次のようにアナウンスしています。
“こちらはAI技術により、在りし日の故人様のお写真からつくられた動画です”
その一言により、会場には静かな驚きと感動が広がります。
技術そのものを前面に出すのではなく、自然さゆえに生まれる感動を丁寧に演出する。
こうした運用上の工夫も、snapCINEMA導入後の活用の中で確立されていきました。
当初「AI」という言葉に対する拒否反応を懸念する声もありましたが、実際には「AIだから利用を断る」というケースはほとんど確認されていないとのことです。
むしろ、お孫様世代を中心に、「おばあちゃんが動いた」といった声が上がり、涙される場面も見られるといいます。
写真を通じて故人を偲ぶという本質的な行為の延長線上にある体験として、snapCINEMAが自然に受け入れられていることが印象的です。
あいち豊田サービス様ではsnapCINEMAの提供を直ちにサービス提供価格へ転嫁するのではなく、まずは価値の向上を優先されました。
“価格よりも、まずは取り組みとしての意義を重視しました”
市場環境の中で他社との違いを明確にする施策の一つとしてsnapCINEMAを位置付け、導入後の反応を見ながら活用を継続しています。
実際に参列者からは「自然で驚いた」「心に残った」といった声が寄せられており、これまでにない提案として具体的なご相談につながるケースも出てきています。
snapCINEMAは、単なる映像オプションではありません。
・写真の持つ意味を一段深める
・過度な演出に至らないAI活用
・ご遺族の感情に寄り添う時間の創出
地域に根ざした葬祭会社としての姿勢を損なうことなく、新しい追悼の表現方法を提示する取り組みの一つとなっています。
“新しい取り組みであっても、地域にとって自然な形で導入することが重要です”
その姿勢のもと、あいち豊田サービス様は今後も地域にとって自然な形で新たな取り組みを検討していくお考えです。
※ 一般の方はお近くの葬儀社様に直接お問い合わせください。