インタビュー

開発者インタビュー

企画開発室 青砥 剛(あおと ごう)

まずは自己紹介と所属部署でのお仕事内容を教えてください

フューネラル事業部企画開発室課長の青砥(あおと)と申します。
前職は広告関係に勤めており、自治体や民間企業がクライアントでした。
学生の頃は海外に興味を持ち、2年間大学を休学して留学やバックパッカーをしたこともあります。
ケニアやタンザニアなどアフリカで教育支援などのボランティアもしました。
社員数が400人を超えるアスカネットですが、カバに追いかけられた経験があるのは私だけではないでしょうか(笑)

アスカネットに転職したのは30代中盤の頃です。
私は広島育ちですが、地元企業であるアスカネットのことは知りませんでした。
ちょうど東日本大震災直後の転職活動だったのですが、いくつか内定をいただいた中でアスカネットが一番震災に向き合い、お客様やエンドユーザーへの心配りをしていると感じました。
面談の際も会議室を災害対策本部へと変えて、お客様の状況把握や支援物資の準備などをしていて、、、これは凄い会社だな、と。
アスカネットに入社後は、“遺影バンク”というサービスの運営や企画、デザインの仕事からスタートしました。

開発を担当された“tsunagoo(つなぐ)”はどのような製品/サービスですか?

亡くなった方のお名前、葬儀の日程や場所、喪主様のお名前などを知らせる“訃報”は従来は葬儀社様がご遺族と打ち合わせをして訃報紙を作成し、ご遺族がFAXや電話でその内容を親族や親しい友人にお伝えするのが一般的でした。
しかし悲しみの中、葬儀の準備に追われるご遺族にとって、たくさんの人に訃報を伝えることはご負担となります。
そのご負担を解消したいと考案したのがtsunagooです。

tsunagooでは必要な情報を葬儀社様が管理画面より入力することで、訃報を伝えるウェブページとそのURLに繋がる二次元コードが生成されます。ご遺族はメールやSNSを介して訃報ウェブページのURLを拡散することで、お手間なく正確に訃報を伝えることができるようになりました。また訃報を受け取った方は、同じウェブページから弔電や香典の送付、葬儀社様の用意した供花供物の購入も可能です。
紙で出していた訃報をクラウドに置き換えることで、ご遺族だけでなく葬儀社様の業務効率化も図れる画期的なツールとなっています。昨今では類似サービスも出てきましたが、弊社のtsunagooがパイオニアです。

tsunagoo開発の背景を教えてください

tsunagooは着想から約1年かけて、2017年にリリースしました。
実はこの仕組みの基となるアイデアは、現社長である松尾の発案です。ある日の朝、社長が急に「こういうアイデアはどうだろう?」と企画開発室に来られたのを今でも鮮明に覚えています(笑)
サービスの具体化には解決すべき課題がたくさんあったため、最初は訃報連絡と供花供物販売の機能のみでリリース、その後大手電報の独占であった弔電に関してもtsunagoo内で完結できるよう機能拡張しました。


tsunagoo開発にはどのような課題がありましたか?

一つはサービスの設計として、既に弊社とお取引いただいている2,800社の葬儀社様に提供するのか、新規の葬儀社様にもご利用いただくことを見込むのか、社内で意見の食い違いがありました。もちろんたくさんの葬儀社様にご利用いただきたいのですが、システム要件と開発コストの調整が難しかったです。

もう一つは法的な整理の課題です。弔電では特定信書便法、香典は資金決済に関する法律に抵触しないようサービス設計することが求められ、個人情報保護や本サービスに関する知的財産権の取得などにも配慮が必要でした。
そもそも香典に関しては、事前に実施したアンケートでは「香典をインターネットで送るなんて失礼では」といったネガティブな意見もたくさんありました。コロナ禍をきっかけに様々な分野で従来の慣習が見直され、今ではウェブ香典も広く受け入れられています。
急激に文化や慣習が変わる節目は初めてでしたが、こういう時こそ「新しいサービスを作ろう」というのが弊社の文化です。 開発を通じてとても良い経験をしましたし、私はこの文化が大好きです。

tsunagooをどのような方にご利用いただきたいですか?

弊社は、DXという言葉が流行する前から“葬テック”を掲げ、テクノロジーの力で葬儀社様やご遺族のお手間を減らし、故人に寄り添う時間を作れるように、サービスを展開してまいりました。

tsunagooのご利用でご遺族は訃報の拡散を、早く正確に手間なく行えます。故人と親しい方が海外にいらっしゃる場合でも、すぐに弔意をお示しいただくことが可能です。家族葬が広がりつつありますが、会葬されない・出来なかった方にもたくさんご利用いただきたいですね。

また、tsunagooは葬儀社様の業務効率を向上することができるサービスです。
tsunagooを利用した訃報の伝達は葬儀日程や場所に関するお問い合わせを減少させる効果があるだけでなく、従来難しかった供花供物の24時間受付、注文作業の簡略化、請求書や領収書発行の自動化など、多くの利便性を提供します。クレジットカード決済をご利用いただければ、現金を取り扱う業務も減らせます。
弔電の内製化や弔電オプションの販売による収益のプラスも見込め、まさに「利便性・収益・業務効率化」を叶えるDXツールです。多店舗展開されている葬儀社様にも、小規模で運営されている葬儀社様にもご活用いただきたいと思っています。

従来の訃報や弔電、後発の訃報配信ツールとの違いは何でしょうか?

tsunagooの管理画面から訃報の拡散状況や弔電・香典・供花供物の受注状況を把握できることが大きな違いであり、メリットです。これにより会葬者数や名簿の事前予測、返礼品の準備などもしやすく、円滑な葬儀施行に繋がります。
弔電に関してはtsunagoo内からそのまま注文いただくことができ、オプション品の販売と合わせて葬儀社様の新たな収益となります。

他社で類似のサービスも出てきましたが、弊社は従来よりアスカクラウドという遺影写真加工をはじめとした様々なサービスのプラットフォームを提供しておりますので、入力データの互換性があり、お手間をかけずにtsunagooをご利用いただけます。

tsunagooのUIやUXについてこだわりなどあれば教えてください

現在のUI・UXにはまだ改善の余地があると考えていますが、サービス全体のデザインとしては「葬儀社様の立場になって設計する」ことを意識しました。
従来の電話やFAX業務から置き換えていただくので、業務フローの変化にご対応いただけるよう、操作の分かりやすさやサポートにこだわっています。
またtsunagooは地域や風土、宗教観に起因する様々な“葬儀の地域差”に全て対応するのではなく、葬儀の大切な共通項を見出し「スタンダード」として提唱したいと考えて設計しました。

葬儀社様にとってtsunagooの導入は難しいでしょうか?

tsunagooは月額2,500円と導入いただきやすい価格設定のサービスですが、売り切りではありません。
きちんとしたサポート体制がありますので、初期設定や使い方レクチャーなど、葬儀社様の業務の一部として定着するまでサポートさせていただきます。

最近は一般の方から「訃報配信サービスありますか?」と葬儀社様にお問い合わせされることもあるようです。
無料デモも可能ですので、一度気軽にお試しいただければ嬉しいですね。

非常に画期的な、目の付け所の良いサービスですね。
そんな青砥さんのイノベーションの源泉は?

弊社では各種研修やビジネスプランコンテストなど、常に新しいアイディアを考える文化があります。
失敗を恐れずチャレンジを評価する風土もあり、他部署にも良いアイディアを創出するライバルスタッフが沢山います。
イノベーションを起こしやすい環境なのだと思います。

個人的には空想したり、DIYでものを作ったりすることが好きで、壊れたものを直して再活用しています。
なるべく本も週2冊くらいは読むようにして、他業界の事例などから弊社サービスに繋がるヒントを探しています。
世の中の仕組みや構造を知るのが好きなのかもしれません。


今後はどのような製品/サービスを開発したいですか?

抽象的ですが、葬儀業界だけでなく別分野でも新しいアイデアや仕組みを形にしていきたいですね。
チームメンバーといつも「こんなことできないかな」と話しています。
極力大雑把にアイデアを出して、細かい課題は後から潰していく。なるべく大風呂敷を広げるようにしています(笑)
まずは新しい技術やサービスへのアンテナを張り、世の中を進化させるようなサービスを作っていきたいと思います。


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