インタビュー

スタッフインタビュー

遺影写真加工技術者 宍戸 涼慈(ししど りょうじ)

まずは自己紹介をお願いします

アスカフューネラルサポート・オペレーションセンターの宍戸(ししど)と申します。
ご遺影写真の加工や葬儀社様からの電話対応など、ご遺影作成に関する業務をしています。
入社6年目広島勤務です。

お仕事の具体的な内容を教えてください

葬儀社様からのご注文を受け、ご遺影写真を作成する仕事です。
1件あたりの加工にかかる時間はご依頼内容によりまちまちですが、私の所属するチームでは1日に約100から130枚のご遺影写真を作成しています。1日にご依頼いただく件数やお時間もばらばらですので、私達オペレーターは完全シフト制での出勤、休憩やお昼の時間もずらすことで365日対応させていただいております。(※受付時間は8:30-17:30)

遺影写真の注文から納品までの流れを教えてください

ご遺影作成の流れとして、まずは葬儀社様がご当家様からお預かりしたご遺影原版のお写真をスキャナーにセットします。
スキャナーは弊社で提供している機器で、遠隔操作によりそのお写真をデータとして取り込みご遺影作成を開始します。

葬儀社様よりFAXもしくはアスカクラウドというWEB注文システムにてご注文いただいた加工依頼書を元に、加工作業を開始します。加工依頼書には必要なお写真の種類や枚数、加工内容等の情報が含まれますが、不明点や確認点があれば葬儀社様に直接お電話での連絡も行っています。

カタログから選んだ背景への変更や和服等へのお着せ替え、影や服のシワの除去などご注文いただいた通りの加工が終わりますと、葬儀社様に設置いただいているプリンターへ再び遠隔操作にて、完成したご遺影写真の出力を行います。
こちらがお写真の取り込み・加工依頼書をもとに加工・出力という一連の流れとなります。

アスカクラウドでのご注文のメリットは?

FAXでのご依頼に比べ、アスカクラウドでのご依頼は加工に必要な項目のほとんどが選択式です。
未入力や間違いも防ぐことができ、発注や依頼状況の管理もWEB上でできるので、葬儀社様にとっても私達にとっても便利なシステムです。
外出先、例えばご遺族様宅からも注文いただけるので、葬儀社様の作業効率もアップしています。

遺影加工の難しいところは?

お預かりしたお写真をきれいに仕上げたい気持ちが強いので、加工しすぎてしまわないように注意しています。
例えば、お顔にかかった影や光の反射を消すご要望をいただくことが多いのですが、消しすぎてしまうとお顔全体の印象も薄くなり、ご本人の雰囲気が離れていってしまいます。この加減が難しい点ですね。
お顔の凹凸から発生している影はできるだけ残しつつ、外からの影を徐々に薄くしていき「ここまで」という判断をしています。
手を加えすぎないためにもご遺影原版と見比べながらの加工が大切です。

加工の際に気をつけているところは?

加工をするうえで葬儀社ご担当者様とのやりとりはとても重要です。
ご要望の受け方も加工依頼書やお電話など様々ですので、取りこぼしのないヒアリング、どれだけ正確にご要望を加工に落とし込めるかにも気をつけて取り組んでいます。

高品質を担保するための技術はどのように習得されましたか?

弊社では入社してから最初の3ヶ月、長めの研修期間を設けています。
練習用の原版写真を加工する研修をみっちり行い、審査の厳しいテストに合格しないとオペレーターとして正式に配属されません。
私自身何度も再テストをした記憶があります。そのような経験を経てようやく合格できた時の喜びは今でもよく覚えています。
テスト合格後にチームへ配属となりますが、配属後は本番の環境にプレッシャーを感じるので慣れと経験が必要です。
この時期はベテランスタッフのアドバイスやサポートが重要で、わからないことは新人自らが聞けるような環境が整っています。
また、新人の加工は必ずベテランスタッフがチェックと手直しを行った上でご提供しておりますので、お客様にもご安心いただけます。
あと「加工コンテスト」も技術の向上、高品質の担保に繋がっていると思います。

加工コンテストとは何ですか?

定期的にオペレーター全員が同じコンテスト用の原版写真で加工技術を競い合うイベントです。
後日、入賞者の加工の流れや工夫をシェアすることで、オペレーター全員が同じ基準の高品質なご遺影の加工技術を目指します。
チーム内の上司や先輩後輩間だけでなく、チーム間、拠点間での助け合いやコミュニケーションで課題を解決しながら高い技術と高品質を追求しています。


普段から気をつけていること・注意していることを教えてください

たくさんありますが、ご遺影の加工では「髪の毛の加工」は個人的に気をつけているポイントです。
背景を変更する際に行う人物の切り抜き作業だけでは、どうしても髪型の印象、特に毛先のふんわり感がなくなってしまいます。
ご遺影原版と見比べて故人様の毛流れや髪型を観察しながら、髪の毛と背景の境にブラシで毛先を描き足しています。
そうすることでより自然に仕上がり、ご遺影の見栄えが格段に良くなります。

また加工以外では葬儀社ご担当者様とのやり取りにおける「丁寧なヒアリング」を心がけています。
私の場合、ご依頼の内容といただいた原版を見比べて、ご遺影写真の完成形を想像します。
よりご満足いただけるご遺影にするために、加工依頼書の指示には無い内容であってもこちらから提案させていただくこともあり、お客様のご期待以上のご遺影をお届けできるよう心がけています。

アプリやAIによる写真加工との違いはどんな点でしょうか?

故人様に対する想いやご遺族様のご要望を細かく汲み取って、ピンポイントで加工をすることが出来るのは、アプリやAIには出来ない人間の強みです。
AIも写真をきれいにすることは得意とされていますが、やはり故人様とは別人のような印象になってしまい、違和感は拭えません。
「面影や雰囲気を残す加工」は、人間にしか出来ないことだと思います。
AIはあくまで与えられた情報に従ってアウトプットしますが、私達はコミュニケーションの中でご要望やご当家様の想いを汲み取り、喜んでいただける、感動していただけるようなご遺影を目指して能動的に加工を行っています!

遺影の文化についてはどのようにお考えですか?

ご遺影と聞くと通夜式や葬儀のためのものと思われがちですが、実際は周忌や家族で集まるタイミングなど、年に数回故人を偲ぶタイミングに、故人と対面できるのがご遺影写真の良さでもあります。
家族でご遺影に語りかけたり、思い出話に花を咲かせたり、まるでそこに故人様がいらっしゃるような感覚を持っていただけるのがご遺影写真だと思うので、なくしてはならない良い文化だと思います。

アスカフューネラルサポートの強みは何だと思いますか?

会社全体で掲げている「ホスピタリティ」と柔軟な対応力が弊社の強みです。

ご遺影写真の作成に関し、時には非常に難しいご要望をいただくこともあります。そんな際には社内各所に協力を仰ぎつつ、お客様のご要望を実現出来ないかどうか、必ず皆で模索しています。もちろん実現が難しいこともありますが、最初から「メニューにありません」「出来ません」などと無下にお断りすることは決してございません。

お客様のプリンターでは対応できないサイズの印刷は弊社で印刷してお届けしたり、ご要望として戴いたアイデアが商品化に繋がったりということもあります。
「ご要望の実現」を念頭に取り組むことで想像以上の完成度になり、それらが私たちの経験値となりサービスのレベルアップにつながっているので、ご満足いただける自信があります。

個人的には遺影写真に対してどんな想いを大切にされていますか?

ご遺影写真はご遺族が毎日目にするものになりますし、その後何世代も受け継がれていくものです。
故人様の雰囲気をきちんと残したご遺影にすることが一番大切だと思っています。

雰囲気と面影を尊重して作成することで、顔も見たことのないご先祖様でも生前どんな方だったのか印象が伝わるように、例え原版は暗いお写真でも、故人様の明るいお人柄が伝わるご遺影写真に、そんな想いで作成しています。


さいごに、これから遺影写真のご注文をご検討中の葬儀社様にメッセージをお願いいたします

弊社ではご遺影写真だけではなく、葬儀社様にご満足いただけるようバリエーション豊富な商品をご準備しております。
これからもご当家様にご満足いただけるご遺影写真をお届けできるよう技術向上に努めてまいります!


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